年金の財源 GPIFとは?
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)2023年度(2023年4月~2024年3月)の運用成績
収益は45.4兆円(22.7%)で、2001年度以降の累積収益は153兆円に達しました。運用資産は246兆円にまで膨らんでいます。
年金の給付の原資は本来、「国民が払う保険料」と「国庫負担」です。
ただ、その年の原資を、その年に全部給付するわけではありません。毎年すべて給付してしまうと、将来、安定した年金給付が難しくなるからです。
この余りは積み立てておいて、将来の給付の「原資」に活用します。将来は現役世代が減り、保険料収入が細る分をこの積立金でまかなうわけですね。
積立金はタンス預金のように寝かしておくのではなく、株や債券で運用していく。そのための組織がGPIFです。
株を持っていない人は関係ないと思われているかもしれませんが、そんなことはないです。
株価が上昇すれば、年金の財源もアップします。
運用額は246兆円。株高や円安を背景に10年で2倍近くにまで増えています。
GPIFの基本のポートフォリオ 「国内債券25%」「日本株は25%」「外国株25%」「外国債券25%」
海外投資で全体の半分を占めています。
円安が進めば、円換算の価値が増えるので、「円安の備え」が強くなっています。
運用改革を進めたころから、世界的な株高や円安が進んだのは、結果的に絶妙なタイミングだったといえます。日本国債中心の運用をしていれば、運用額はいまよりずっと少なかったでしょう。
2023年度は、日本株もアメリカ株も大きく上昇し、円安もあいまって、記録的な運用益となりました。
少子高齢化が進むなか、年金の負担と給付のバランスはかなり厳しくなっていきます。インフレが長期化すれば、老後に必要なおカネも膨らみます。
国民ひとりひとりの目線では新NISAやiDeCoを活用したりして、各々が老後に備えた資産形成を進めることは大切だと思います。
GPIFの運用収益が将来の年金給付の持続性に貢献はしてくれています。株高は直接株を持っている人だけでなく、幅広い国民にも恩恵をもたらしているものですね。