FOMC 0.50%利下げ

事前の市場予想は「0.50%利下げ」が「0.25%利下げ」よりやや優勢でした。

2022年以降は、厄介なインフレを退治することを最優先に急激に利上げし、その後、高めの金利を続けてきました。

しかし、インフレを和らげるための高金利はもはや必要性が薄まってきたということです。

FRBの金融政策の目標は「①物価安定」と「②雇用最大化(低失業率)」です。これまで①の物価を優先してきましたが、ここへきて②雇用への配慮の必要性が高まり、利下げに踏み切ったわけです。

FRBの懸念が「インフレ」から「雇用鈍化」に徐々に移っており、0.5%の利下げに踏み切った形です。

会見の内容としては、

0.5%の利下げで、政策引き締めの度合いを弱めた。政策を適切に再調整すれば、労働市場の強さを保ちつつ、インフレが2%に向かって低下するという自信が高まっている。

インフレは目標に非常に近づいている。インフレの上振れリスクは下がり、雇用の下振れリスクが高まった。現在、雇用とインフレという目標達成に対するリスクは均衡している。

今後の政策はあらかじめ決まった道筋はなく、会合ごとに決める。あまりに早く利下げすることはインフレ目標の進展を妨げる可能性がある。利下げをゆっくりすると、経済活動や雇用を過度に弱める可能性がある。

インフレ見通し鈍化と失業率見通しの上昇、リスクバランスの変化を映す。

ただ、この見通しは計画や決定ではなく、経済や物価の動向次第である。