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アルファベット(Google 親会社)Q1 2025 決算ハイライト

(2025 年 4 月 24 日発表)

  • 売上高:902.3 億ドル(前年比 +12 %)
  • 営業利益:306.1 億ドル(同 +20 %、営業利益率 34 %→36 %)
  • 純利益 / EPS:345.4 億ドル / 2.81 ドル(同 +46 % / +49 %)
  • 増配 & 自社株買い:四半期配当を 5 % 増の 0.21 ドルへ。新たに 700 億ドルの自社株買い承認。
  • 主な成長ドライバー
    • AI を活用した検索機能「AI Overviews」月間 15 億ユーザーに到達
    • YouTube & Google One などサブスク有料会員 2.7 億件突破
    • Google Cloud は生成系 AI 需要で +28 % の高成長

① セグメント別売上推移(Q1 2024 vs Q1 2025)

検索 & その他広告 が 507 億ドルと依然圧倒的ですが、
Google Cloud(122 億ドル)と YouTube 広告(89 億ドル)が2桁成長で全体を押し上げました。
一方 Google Network(外部サイト向け広告)はわずかに減収。


② セグメント別 YoY 成長率

順位セグメント成長率背景
1Google Cloud+28 %生成 AI/データ基盤需要が拡大
2サブスク & デバイス+19 %YouTube Premium、Google One、Pixel 等
3YouTube 広告+10 %ショート動画広告フォーマットの拡充
4検索広告+10 %AI Overviews 経由のクエリ増
5Google Network-2 %3rd-party 広告需要鈍化
6Other Bets-9 %Verily など実証フェーズ続く

③ セグメント別営業利益

区分Q1 2024Q1 2025コメント
Google Services278.9 → 326.8 億ドル広告・サブスクの高マージン維持
Google Cloud9 → 21.8 億ドル黒字化後 3 四半期連続で利益拡大
Other Bets-10.2 → -12.3 億ドル赤字幅拡大も全社比では軽微

ざっくりまとめ(Why it matters)

  1. クラウドが “稼げる柱” に成長
    まだ広告が売上の 7 割強を占めるものの、クラウドは 売上 1.3 倍・営業利益 2.4 倍 と最もインパクト大。企業の生成 AI 導入ラッシュが続く限り、利益貢献はさらに拡大する見込み。
  2. AI 投資による CAPEX 増でもキャッシュ創出力は健在
    データセンター強化で設備投資は 172 億ドル(+43 %)に跳ね上がりましたが、営業CF 361 億ドルで余裕を確保。巨額の自社株買い余力も株主還元を支えます。
  3. AI 過渡期における検索広告の粘着力
    “AI 導入で検索が衰退” との懸念に対し、検索広告+10 % 増収は想定以上。AI Overviews に広告を自然に組み込めている点が評価されています。
  4. リスク要因
    • 米司法省との検索・広告独禁訴訟の行方
    • AI 開発競争でのコスト膨張
    • 広告市況が景気減速で再び冷える可能性

投資家向け視点
成長を牽引する Cloud・サブスクがどこまで利益率を引き上げられるか が今後の株価ドライバー。AI インフラ投資が一段落する 2026 年以降に FCF マージンが再拡大できるかが勝負どころです。