2025年4月25日最新版|アメリカ経済・金融ニュース総まとめ


速読ポイント:この記事では、米国の最新マクロ統計からFRBの金融政策、株式・債券市場、主要企業決算、そして財政動向までを網羅的に整理しています。ブックマークして今後の分析にお役立てください。


1. 成長のスナップショット:GDP動向

  • 直近データ:2024年第4四半期の実質GDP成長率は年率+2.4%と確報されました。
  • Q1 2025の見通し:パウエルFRB議長は4月16日の講演で「関税前倒し輸入の影響で1Q成長は減速する見込み」と発言。詳細は来週発表の速報値を待つ形です。

2. インフレトレンド:CPIとPCE

  • CPI:3月のCPIは前月比▲0.1%、前年比+2.4%と市場予想を下回り、5年ぶりのマイナス。
  • コアPCE:2月時点のコアPCE前年比は2.8%で、FRB目標(2%)を依然上回っています。3月分は4月30日に公表予定。

3. FRBのスタンスと金融政策

  • 現状維持:FOMCは3月会合以降政策金利(5.25–5.50%)を据え置き、「データ待ち」姿勢を継続。
  • 議長発言:パウエル議長は「物価は目標を上回るが、景気減速リスクも無視できない」と強調し、引き締めと緩和の両にらみで慎重姿勢。
  • 政治リスク:トランプ大統領は4月22日に「パウエル解任は考えていない」と語り、市場は安堵して米株が反発。

4. 労働市場:雇用・失業率

  • 週間指標:4月12日終了週の継続受給者数は184.1万人と前週比▲3.7万で、失業率は4.2%近辺を維持。
  • 雇用の質:製造業・物流で減速が見られる一方、サービス業は底堅いとみられています。

5. 市場と決算:株・債券・企業業績

  • 株式:S&P500は4月24日終値5,484.77pt。年初来では▲6.75%ながら、直近5日間で+3.8%と反発基調。
  • 金利:10年債利回りは4.40%と高止まりしつつも、前週比でわずかに低下。
  • 企業決算:アルファベット(Google)は1Q売上高902億ドル(前年比+12%)、EPS2.81ドルと市場予想を上回り、AI関連投資を拡大へ。

6. 財政赤字と債務動向

  • 上半期赤字:2025会計年度上半期(10月–3月)の財政赤字は1.307兆ドルで前年同期比+23%。
  • 債務残高:12か月累計赤字は2.1兆ドルとCBO推計。長期的な債務持続性への懸念が再燃しています。

7. 先行きリスクと注目イベント

  • 関税インフレ:対中関税(最大125%)が物流コストを押し上げ、サービス価格への波及も懸念。
  • “Sell America”取引の帰趨:ドル・長期金利急落→一服という流れが続くか、再び米資産回避が強まるか。
  • イベントカレンダー
    • 4月30日:3月PCEデフレーター発表
    • 5月1日:ISM製造業景況感(4月分)
    • 5月2日:4月雇用統計
    • 5月14日:4月CPI

まとめ

米国経済は「成長減速 × インフレ高止まり」という難しい局面に入りました。FRBは当面現状維持とみられるものの、データ次第では年後半に最大1%の利下げという市場予想も根強い状況です。企業収益はAI関連を中心に底堅い一方、関税リスクと財政赤字拡大がマーケットの“重し”となっています。次回重要指標であるPCEデフレーターと雇用統計に注目しましょう。